PSY事件簿
―― 空から魚が降ってきた ――

●朝日新聞、日刊スポーツより
 2000年8月6日、イギリス東部のグレートヤーマスに、体長5cm前後のシルバーフィッシュが雨のように降り注いだ。おそらく海で発生した竜巻が、海面近くを泳いでいた魚の群れを吸い上げたのが原因だろうと、イギリスの気象台は発表した。


―― 分析1 ――
 気象台の分析は信頼に足たるものだと思う。イギリスではこれ以前にも、たくさんの妙なものが降っている。日刊スポーツ紙によると、1948年にはドーセット地区にニシンが、1954年にはウェストミッドランドで死んだ蛙が、1976年にはロンドン近郊でのヨットレース中にうじが降ったという。しかし世界中でこういう事件はずいぶんと起こっているのだ。

■過去の事例
(1) 1846年10月 フランスに死にかけたたくさんの鳥が降った。鳥の種類はウズラ、ヒバリ、コマドリなどであった。
(2) 1851年 7月 カリフォルニアの陸軍基地に、ばらばらになった肉の破片と血が降ってきた。
(3) 1855年12月 バージニアに雪を真っ黒にそめるほどの大量の虫が降った。
(4) 1857年10月 カリフォルニアに氷砂糖の雨が降った。
(5) 1867年 3月 ルイジアナで、幅100キロもの地域に塩が降った。
(6) 1867年 8月 日本中に伊勢神宮の御札が降った。9月には三島に金の塊が降った。静岡県には妙齢の美女が降った。生首も降った。阿波では妙齢の美女と小判が降った。ルイジアナで、幅100キロもの地域に塩が降った。
(7) 1870年 8月 カリフォルニアにイモリの大群が降ってきた。
(8) 1876年 9月 福井県に雷魚が降った。
(9) 1878年 9月 カリフォルニアにナマズが大量に降ってきた。
(10) 1884年 3月 ニューヨーク郊外に石が降った。
(11) 1888年 6月 長野県に、甘い雨が降った。
(12) 1958年 6月 テキサスのダラスに、大量のサカナが降ってきた。
(13) 1960年 8月 カリフォルニアに、6000羽あまりの大量のウミツバメが落下した。中には市民の手当てで回復した鳥もいたという。
(14) 1961年 7月 ルイジアナでは、青桃が降ってきた。


―― 分析2 ――
 こうしてみると、妙なものが天から降ってくる現象は、世界中で起きていることが判る。 80%の事件が、沿岸部で起きていることからしても、海上で発生した竜巻がこうした事件の主原因になっているのだろう。
 またこれだけの事例を分析しただけでも、歴史上の奇跡が自然現象であったことが推測できたりする。
 たとえばBC1230年ころ、モーゼに率いられたユダヤ人はエジプトを脱出したものの、中東の砂漠で飢えに苦しんでいた。責任を追及されたモーゼが神に祈ると、神はウズラの大群を舞い降りさせ、同時にマナと呼ばれる甘い露を降らせたので、ユダヤ人達は餓死せずにすんだという。
 砂漠にウズラの大群が舞い降りたことや、甘い露が降ったことは奇跡とされているが、フランス(1)や、カリフォルニア(13)の事例からすると、紅海や地中海付近の生息地から、ウズラが竜巻によって運ばれてきたことは十分に想像できる。
 またマナについては、ギョリュウの樹液と解釈されることが多いが、カリフォルニア(4)や長野県(11)に同じようなものが落下していることからも、なんらかの自然現象で砂糖の結晶が降ることはありそうだ。
 一方、自然現象ではなくて、完全に人為的なものと感じさせるのが、1867年に日本で発生した伊勢神宮の御札が降った事件である。これを契機として「ええじゃないか」踊りで世の中が騒然とし、幕府の行政機能が麻痺したため、明治維新が早まったという説もある。元老の岩倉具視は、「ええじゃないか」のおかげで、平常とは比べものにならぬほど多くの人々が街頭にくり出し、自分達が移動するのが目立たなくて助かったと述べている。
 それにしても、天から異物が降ったことに神意を感じ、世の中の変動に結びついたのが日本の明治維新(6)だけというのは、やや意外な気がする。